現在の塾という形ができるまでに

受験生本人もその親も必要性を重々わかっているからこそ、進学校に通わせつつ、塾にもお金をつぎ込んで通わせているのでないでしょうか。決して昔のような悲痛さはなく、おそらく細かいデータに基づき、軌道修正しながら最終目標である「合格」というゴール目指して取り組んでいるある種スポーツマンにでも例えていいのかもしれません。このような暗黙の役割分担は一朝一夕ではできるはずもなく、1970年代の「乱塾時代」を経て、それぞれが試行錯誤しながら出来上がっていった構図なのかもしれません。お互いが相手を侵害せず、かといって無関心ともせず持ちつ持たれつ、という形が少しずつ出来上がったのではないでしょうか。このようにせざるを得なかった学校教育制度の変遷といった時代背景もあるでしょうし、少子化や女性の社会進出、高学歴社会等々いろいろな社会の移り変わりも影響していることでしょう。更に塾という昔の教員の延長線上に存在していた教育機関が、企業として生き残りをかけた取り組みが功を奏したところが、現在の一握りの名門塾と全国に存在する特色ある塾として存続しているのではないでしょうか。

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